キャンディークラッシュは遊びじゃない

 

拝啓

 

キャンディークラッシュ様。

 

愛しています。

 

キャンディークラッシュ、言わずと知れた名スマホゲームだ。

 

そんなキャンディークラッシュの何が良いかというと、シンプルさ由来の美しさである。

 

キャンディーを3つ繋げると消せる。4つ繋げるとストライプキャンディー、5つ繋げるとカラーボム。

ただ闇雲に動かしていってもクリアはできない。

ここを動かしたら、ここが消えて…というような計算が必要なのだ。とても、美しい。

 

スペインにいる時に始めたキャンディークラッシュを、4月半ばからまたやり始めた。初心に帰る気持ちを込めて、一から新しく始めた。

 

スペインではあまり思わなかったことなのだが、キャンディークラッシュには心を落ち着ける作用があると気づいた。キャンディーを動かしているときは、無心になれるのである。さながら座禅のような効果だ。

 

朝の電車遅延でギリギリになった心もキャンディークラッシュをやれば、心は、さながら菩薩。悟りを得て、沙羅双樹の樹の下で涅槃に入って解脱。

考えすぎて眠れない夜も、キャンディークラッシュを頭の中でやれば赤子のようにスヤスヤだ。

 

(「頭の中でキャンディークラッシュする」というのは、イマジナリーキャンディークラッシュを思い浮かべてキャンディーを消していく作業である。)

 

キャンディークラッシャーの方々はお分かりだろうが、キャンディークラッシュの大敵はライフ切れである。

「ラストライフ」とターバンを巻いた魔神が小さく出てくるときといったら…………悔しさとやるせなさに包まれるはずだ。

 

しかし侮るなかれ。

キャンディークラッシュに心身の安定を任せている私は、ライフ切れに負けない。

 

私はもう一台のスマホを出してきて、キャンディーソーダをやるからだ。

 

キャンディーソーダは、次世代のキャンディークラッシュだ。わたしは、こちらのほうが少し難易度が高いように感じる。ルールは概ね同じで、強いて言えば4つ正方形に繋げるとゼリーフィッシュができるくらいか。

(ゼリーフィッシュは、画面上をササ〜ッと泳いでいって、難しいところにあるキャンディーを消してくれる健気な良い奴だ。)

 

そんなこんなで、私はキャンディークラッシュとキャンディーソーダを永遠に繰り返す。ソーダのライフが無くなったらまたキャンディークラッシュに戻る、といった具合で。

 

私はいつだってキャンディークラッシュに真剣だし、あれはもう、

 

遊びじゃないのよキャンディークラッシュは HA HAN

好きだと言ってるじゃないの HO HO

 

ちょっとパロディするにはゴロが悪すぎましたね。